下山事件とは1949年7月5日に国鉄総裁だった下山氏が轢死体で発見された事件。自殺か他殺か未解決の事件。昭和史、戦後における謎の一つだろうから、どんなものか知りたく読んでみたのだ。
前半はすごく面白かった。下山事件の背景や真相究明を客観的に書かれていたから。
後半は最悪。取材がうまくいかないこと。いろんな仲間とうまく仕事できていないこと。そして、中途半端な結末。最後の最後の「文庫版のための付記」で次のような記述があった。
僕は事件の真相に途中から興味を失った。
...。
絶句。「じゃぁ、書くなよ」って思ってしまった。
後味が非常に悪かった本だったが、もっと下山事件を知りたい、真相に近づきたいという感情を僕に与えてくれたところは良かったのかもしれない。本書の中で「彼」という三人称単数形で登場する柴田哲孝氏の著書「下山事件―最後の証言」を今度は読んでみようと思う。
★☆☆☆☆
- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 86回
- この商品を含むブログ (67件) を見る