本書は橋下氏の著書ではなく、読売新聞 大阪本社 社会部の新聞記者が自らの経験をまとめたもの。
橋下氏はほぼ僕と同年代。
(学年で橋下氏が1つ上にあたる。)
そのため、弁護士時代からの彼には親しみを感じていた。
さらに大阪府知事となってからの彼の華々しい行動には、大変共感するものがあった。
これまでの官僚・公務員を完全に否定して"悪"として立ち向かい、
これまでの組織を破壊していく姿は、単純でわかりやすい。
涙ながらに市町村の首長に訴える姿には、感動すら憶えた。
"クソ教育委員会!!"等、普通の大人としてもどうなのかと思う暴言は多数ある。
それさえも、一般市民の代弁として受け入れることができていた。
僕は大阪府には住んでいないし、それに橋下氏をテレビでしか見たことがない。
所詮、ドラマに登場する俳優やバラエティ番組のタレントと同レベルの存在でしかない。
だから、テレビの向こうでの彼が本心はどんなことを考えているのかなんて、さっぱりわからない。
『メディアに作り上げられた橋下氏』というか、
『自らがメディアを利用した橋下氏』しか知らないわけだ。
こんな状態は非常に危険なんだと思う。
やっぱりテレビを通した姿は正しいと思ってしまうし、
旧態依然とした体制に立ち向かう姿は格好良く映ってしまうのだ。
本書を読むと、もう少し冷静な視線で彼を見つめなおすことができるのではないかと思う。
番記者の方々がこれまで近くで見てきた矛盾というものが伝わってくる。
彼を否定するわけでないが、彼に攻撃の的として吊るし上げられ、
反論の場も与えられなかった人たちのことも考えるきっかけとなる。
人気とテレビを使った独裁者を作り上げることがないように、
このように検証できる本は大切だと感じた。
と、彼、橋下氏の悪い面もよく理解できたが、今のところやはり僕は大阪府知事としての彼を応援する者の一人である。
★★★★☆
- 作者: 読売新聞大阪本社社会部
- 出版社/メーカー: 梧桐書院
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
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