この夏の時期になると、"あの戦争"の本を読みたくなってしまう。
戦後生まれの僕たちも、日本人として忘れないようにするためにも。
本書は、いわゆる『中国残留孤児』の方の伝記、ノンフィクション。
中国残留孤児を父として持つ、娘(日本で生まれた)の方が書かれている。
非常によくできた構成となっていて、450ページを超える対策であったが、興味深く読み終えることができた。
- 中国残留孤児となった子供(父)が中国の養母に育てられ、日本に帰国する。その後の日本での苦労の話。
- 日本で生まれたその娘である著者が、中国に留学し、父のオリジナルを探す旅。
- そもそも中国に行くきっかけとなった満州軍の軍官であった祖父の話。
本書を通して、中国の人たちの根深い反日感情・反日教育も伝わってくるが、
それ以上に、少しでも面識のある人たちと家族・兄弟として付き合う非常に人間味あふれた人の良さが伝わってくる。
中国の田舎の人たちのあたたかさというものはすごい。
僕の心の中にも根強かった嫌中感というものが、少し薄らいだ気がする。
良い本に出会うことができた。
★★★★★
- 作者: 城戸久枝
- 出版社/メーカー: 情報センター出版局
- 発売日: 2007/08/20
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (32件) を見る