架空通貨

池井戸潤さんの作品を短期間にいくつも読んでいたこともあって、
"銀行ミステリー"と呼ばれる作品に若干のマンネリ感を抱きつつあったのだ。


だけど、この『架空通貨』ではそんなマンネリ感を完全に払拭してくれた。
田舎の町に蔓延る独自の通貨、その裏に隠された様々な人間の悪だくみに怨み、
父のために突っ走る女子高生、そしてなぜか主人公の先生。


高校の先生が主人公というところちょっと無理を感じるが、ギリギリセーフくらいで面白い。
読み始めると、もう止まることができなかった。
出張のときの移動の飛行機・電車・バスの中で一気に読みきってしまった。


この作品が池井戸潤さんの2作目らしいが、非常に手の込んだ、きっちりと細部まで書き込まれた作品だと素人ながらに感じた。
池井戸潤さんの作品に飽きるのは、まだまだ早いようだ。嬉しい限り。

★★★★★

架空通貨 (講談社文庫)

架空通貨 (講談社文庫)