「最近の子達は...」という言い方をすると、年寄りみたいになってしまうが、
中年になりかけている僕達の世代が薄々感じているとおりのことが起こっているみたいだ。
確かに最近の若い子たちは考えることを苦手としている。
何かわからないことがあれば、Googleがすぐに答えてくれるし、
自分の頭で何かを捻り出すということができない。
近年の会社の新入社員を見ていてもそうだし、わが子を見ていてもわかることであり、危機感を感じている。
ただ、日本の”ゆとり教育”による影響なのかもしれないと思ってもいたのだけど
本書を読めば世界的に考える力を失いつつあることは事実のようだ。
日本では”ゆとり教育”と”インターネット”によるダブル・パンチを受けているということだろうか。
しかし、だからと言って、もう”インターネット”が存在しない時代への逆行は出来ない。
憂慮すべきことがあるかもしれないが、それ以上に大きな利便性を得ていることも事実。
子供たちの教育方法やインターネットとの付き合い方など、僕たち自身が工夫していかなければならない。
それにしても、残念なのは本書の訳。
個人的には全くイマイチであり、校正が足りないのではないかと思った。
全体的に直訳的な感じを受けただけでなく、以下のような言葉が非常に読みにくかった。
- "テキスト"→"テクスト"
- "サービス"→"サーヴィス"
英語の発音に可能な限り忠実にしようとしているのかもしれないが、もっと普通の日本人が読みやすい言葉を使った方がよいのでは。
せっかく内容が素晴らしいものだけに、次回の改版時には修正されることに期待したい。
★★★☆☆
- 作者: ニコラス・G・カー,篠儀直子
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2010/07/23
- メディア: 単行本
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