副題「転落エリートの私を救った世界最高の仕事」ということだったので
スターバックスでの仕事が如何に楽しいか、素晴らしいかをアピールするものかと思っていた。
そういう部分もあることは確かだけど、実はもっと大きなテーマのある大作だった。
アメリカ、ニューヨークにある階級意識、ある種の人種差別に対して、問題提起していると感じた。
転落エリートはニューヨークの特権階級・支配階級の家系に生まれ育ち、
苦労することもなく教育を受け、大企業に就職し、キャリアを積んでいく。
それとは逆に低所得者層は勉学・就職のチャンスすら掴むことが難しい。
60歳を過ぎた元エリートのおじいさんを含め、階級や肌の色に関係なく、
いろいろな人に職場を与え、平等にチャンスを提供して、公平に評価するスターバックスは
確かに素晴らしい企業だと思う。
また、元エリートというプライドを捨てて、スターバックスでトイレ掃除からスタートした
著者 マイケルもまた素晴らしい人であった。
折しも「大卒の就職内定率が過去最低」というニュースがあったが、
自分たちに職場があることを感謝し、何も考えずに会社に通って給料をもらうだけでなく
自分が社会にどのように貢献できるかを考えてみたいと思わせる本。
ただ、マイケルがあまりにもエリートすぎて、世間外れなエピソードが多く過ぎる。
それが鼻についたので、★は1つ減点。(ただの貧乏人のヒガミ。)
★★★★☆
ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life―転落エリートの私を救った世界最高の仕事
- 作者: マイケル・ゲイツ・ギル,月沢李歌子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/03/05
- メディア: 単行本
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