アメリカ、イギリス、ロシア、カザフスタンと国際的なサイバー犯罪を逮捕までこぎつけたノン・フィクション。
最近は大企業や官公庁を狙った攻撃がニュースをにぎわすようになっているが、
一般庶民とってはどこか現実味に欠ける内容なのではないだろうか。
例えば、最近の参議院サーバーが攻撃されてIDが盗まれたという事件も、
それによってどういう悪影響があったかが明らかにされていないため、
どれくらいの犯罪かはピンとこないと思う。
(現金強奪や爆発など、目に見える被害があるとわかりやすいのだが。)
そういう点では、本書の内容は凄まじい規模の犯罪だった。
DDoS攻撃による恐喝事件、クレジットカード等のID窃盗事件。
被害は数億〜数十億円単位での出ている。
インターネットを使った犯罪は直接手を下している犯罪者を発見することは難しいと思うが、
バーレット(主人公)は地道に犯人を追っていき、突き止める。
そして、イギリスのNHTCUのアンディはロシアに乗り込んで犯人の逮捕を実現する。
裁判まで進むが、背後の大物まで一網打尽とまではいかない。
こういう事件が多々発生しているにも関わらず、世界的にサイバー犯罪に組織的に取り組めていない。
日本でも警察庁や防衛省が中国などの攻撃から真剣に防御することを考えないといけないのに...。
★★★★☆
- 作者: ジョセフ・メン,福森大喜,浅川佳秀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/13
- メディア: 単行本
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