成功する要求仕様 失敗する要求仕様

個人的に日経BP社のこのシリーズは好んで読んでいる。
最近は僕も技術的なことよりもマネージメント系のことの方を勉強しなければならない。僕のこれまでの経験からも上流工程、特に要件定義のフェーズがソフトウェア開発を成功させるためには非常に重要だとわかっている。この段階でいかにお客様・エンドユーザのニーズを満たしつつ、開発者にとっても安心して作業できるような開発項目と工数を決めれるかが運命の分かれ目。
僕個人としては、多少の開発を増やしてでもユーザが喜んでくれる機能や最新技術を実装し納得した開発を行いたいという欲求はあるが、開発者の中にはデスマーチ・プロジェクトを恐れ、それに自分が担当されてしまうのではないかと心配しモチベーションが下がってしまうものもいる。そういう人がいるだけでチーム全体の士気も低下し、本当にデスマーチ・プロジェクトと化す。自分たちで悪い方向に導いているわけだが、そうして失敗したプロジェクトを何度も見てきた。
そうならないためにも、要件定義をし開発チームが安心して仕事でき、プライベートも充実した生活を約束できるようにすることが、マネージャやリーダの大事な役割だと思う。それができれば、リーダとしては半分くらいは終わったようなもの。
この本には、これまで経験して得てきたことがたくさん書かれているし、新しく示されたことも多い。既知のスキルであっても、それらを体系付けて整理し理由付けしてくれている点ではすごく助かる。一度読んで本棚にしまっておくのではなく、新しいプロジェクトを立ち上げるときには注意するためにも読んでおくようにした方がよいかもしれない。
★★★★☆

成功する要求仕様 失敗する要求仕様

成功する要求仕様 失敗する要求仕様