監査難民

今のコンピュータセキュリティの市場は、『J-SOX法』、『内部統制』が大きなビジネスドライバーとなっている。
コンピュータ関連の各社は"内部統制ソリューション"的な商品を競って出している。
"セキュリティ"といっても、この分野は運用管理系がメインではあるのだが、なんやかんやと僕は今はこの分野にどっぷりと遣っている。


"内部統制"の話をするときには必ずエンロン事件やカネボウ粉飾決算事件を持ち出す。かといって、自分自身がこの事件についてちゃんと理解しているかというかと、そうでもなかった。いろんなところも受け売りで話することが多い。
また、"内部統制"のために必要なソフトウェアとか、あるべき姿を描こうとする時、単に金融商品取引法とか会社法とか金融庁の実施基準を読んでも、僕たちには何をすればよいのか本質のところが理解できない。
では、企業と監査人が不正を行うことができないようにするために僕たちがどんなシステムを用意すればよいのかということを考えるにあたっては、やっぱり僕たち自身が監査人の立場になって企業の財務報告を監査する際にはどういう基準でチェックするのか、どういう体制でどういうプロセスで監査が行われるのかを理解しなければならないと気がついた。
(気がつくのが遅い。こんなことは当たり前か。)

ということを考えて、どうして会計士自身が粉飾決算に加担することができたのかを知りたく、この本を読んでみたのだ。
中央青山監査法人の方々には申し訳ないが、内容は非常に面白かった。
リアルだし、何が起こっているのか、企業と監査法人の力関係など、すごく勉強になった。

★★★★★

監査難民 (講談社BIZ)

監査難民 (講談社BIZ)

今度はエンロン事件に関する本を読もうと思う。