宮部みゆき氏のミステリー小説の中でも非常に評判のよいものと聞いたので読んでみた。
家族って何なんだろうな〜。家族の絆というものまで考えさせられる単なるミステリー小説だけではない作品だった。
最後の少年の言葉。
「僕も、おばさんたちを殺すようになってたのかなって思う」
現実に発生している家族殺しや少年犯罪といった凶悪事件を見ると、怖いフィクションの話ではなく、現実的なものだ。むしろ、最近では犯罪小説よりも凶悪な事件が多く、現実が想像を超えてしまっている。これは小説家泣かせなんだろうな。
もちろんストーリも面白いのだが、描き方がテレビのドキュメンタリー番組を見ているのではないかというくらいにすごく読みやすいものとなっている。テレビ番組で回想場面をナレーションし、関係者がインタビューに答えるというイメージがありありと伝わってくる。
僕たちのようなテレビ世代にとってはこれは読みやすいんだろうな。
★★★★☆
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/06/29
- メディア: 文庫
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でも、やっぱりどうしても『模倣犯』と比較してしまう。
『模倣犯』が面白すぎただけに、それを超えるものを期待して読んでしまうので申し訳ないのだが...。