ワーキングプア―日本を蝕む病

本書が出版されたときから読もうと思っていたのだが、Amazon.co.jpでのレビューがいまいちよくなかったので、二の足を踏んでいた。
しかし、実際に読んでみると内容は秀逸。現代日本の歪が明確に浮かび上がってくる。
自分たちが恵まれていること、まだまだ甘い生活を送っていることを実感することができるとともに、これから気持ちを引き締めるためにも知っておくべき事実であった。


これまで"ワーキングプア"とはいえ、仕事を選んでいる人たちや働かない人たちが多いのではないかと勝手に思っていた。
しかし、そうではなかった。
働きたくても働けない人たち。ほとんどの時間を仕事に費やしていてもお金にならない人たち。
ゆがんだ世界だ。
一度、こういう生活になると年金保険料が払えなくなり、老後はさらにつらい生活になる。まさにワーキングプア・スパイラルに陥ってしまい、抜け出すことができなくなるとは...。
これまでもTVのニュースなどで老人保険料が個人負担率が上がるというものがあってもあまり気にしていなかった。でも、本書を読むと自分の老後のことを考えるとぞっとすることだと思う。

自分のこともそうだが、親のことを考えるとあまり先の話ではないのである。

★★★★★

ワーキングプア―日本を蝕む病

ワーキングプア―日本を蝕む病