武士道

一年の最初に読むべき書としてふさわしいものを考えた結果、新渡戸稲造氏の『武士道』を選んだ。
元旦から読もうと思い、昨年末に買っておいたのだ。
まさに正月に読む本。日本人として読まなければならない本だったと思う。
これは小学生の教科書に載せておくくらいした方がいいんじゃないのかい。


僕が言うのもおかしいが、今、日本は大変なことになっていると思う。
これは若い世代、子供たちだけでなく、僕たち大人や年寄りの世代も、金銭至上主義かつ自己中心的思想に蔓延っていて、つくづく"寂しい"世の中だ。普段の生活の中やニュースでもとうとうここまで来たかというような心が寂しくなることが多くなってきた。
お金、お金、お金の世の中。何か違うんだけど、大勢がそうだからそれに置いていかれるわけにもいかず、違和感を感じながらも自分自身もその中で生活している。


日本、日本人ってこんなはずではなかったのではないか。
僕が知っている限りでも、もっと心が温かくて、自分のことよりも他人のことを、お金のことよりも名誉のことを大切にする文化だったはずだ。
いつの頃からかわからないけど、なりふり構わずに自分の欲望を満たすことだけを考え、他人のことには目もくれずに生きている人間が多くなったと感じる。


"義"、"勇"、"仁"、"礼"、"誠"。
現代ではほとんど目にすることのなくなってきた漢字かもしれない。この一文字ずつをよく考え、何を意味しているのか、この文字を心に刻んで武士に代表される日本人はどのように生きてきたのか。
『卑怯』、『恥ずかしい』という言葉も最近ではあまり使わなくなった言葉かもしれない。
こういった人としてどういう心で生きていくべきかということを改めて考えさせてくる良い機会となった。この本を正月に読むことができてすごくうれしかった。

★★★★★

武士道 (PHP文庫)

武士道 (PHP文庫)


あまりに感動したので、PS2ソフト『戦国無双2』を買ってきて正月からはまっている...。