『ワーキングプア―日本を蝕む病』の続編。
"解決への道"というサブタイトルからもわかるように、NHK取材班たちは日本のワーキングプア問題をどうやって解決すればよいのかを海外のケースを調べて提言している。
これらの国は日本よりも深刻な問題となっているが、国がしっかりとした体制で問題解決に動いている。
それを調べて日本に知らしめたという意味では本書(番組)のすごい成果だと思う。
でも、これって普通は政府がしっかりと実施しなければならないことだろう。当たり前だけど。
本書にも書いてあるけど、日本の役所の縦割り行政が大きな壁となって、根本的な対策が実施できていない。役所の人たちのエゴや都合によって国民に不利益を蒙っていることになる。
なんてことだ...。
★★★★☆
- 作者: NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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ワーキングプアのスパイラルは早くなんとかしない問題だろう。
特に子供たちが問題だ。
ワーキングプアの親だと子供がしっかりとした教育を受けることができない。当然、就職もつけない。
子供たちに平等な機会を与えることができていないという、"差別"社会に繋がってしまう。
日本でもホワイトカラーのワーキングプアも目の前に来ている。
アメリカと同じようにホワイトカラーの仕事もどんどんと海外に流出している。
僕のコンピュータ業界もソフトウェア開発のオフショア化が進んでいて、中国やインドへどんどんと仕事が流れていっているのだ。
これは企業が日本の将来のことなんて全く考えずに、自分たちの利益のことだけを考えて、人件費の安い海外に仕事を流して原価(固定費)を抑えようとするもの。
企業もこれでよいのだろうか?
利益優先・株主優先というのではなく、社会における自分たちの責任ということも企業側もしっかりと認識し、日本・地域に根ざした企業活動をしてほしいと思う。
日本人が日本人をどんどん見捨てていく社会はやっぱりおかしいよ...。