新・人間の証明

森村誠一氏の代表作である『人間の証明』の続編となっているが、もう一方の代表作である『悪魔の飽食』の題材である731部隊の事件をベースとしている。
本書の内容は、731部隊のノンフィクションであるものを筋となっているが、そこにフィクションの部分が混じっている。
この本だけを読むと、731部隊には興味を持つかもしれないが、そのフィクションである部分を見極めることができないために、間違って認識するのではないかとも心配される。


僕は氏の『悪魔の飽食』三部作で731部隊の事件に関する事前知識があった。
そういう知識があって、本書のフィクションである部分の面白さを理解することができた。


本書を読む前には、第731部隊について少しでも勉強しておくことをお勧めしたい。
内容は、森村誠一氏の代表作『悪魔の飽食』+『人間の証明』の面白さまではいたっていないが、大変興味深いものであった。

★★★☆☆