Manage It! 現場開発者のための達人式プロジェクトマネジメント

ソフトウェア開発者のプロマネ、リーダ、経営者は必読の本。

プロマネの人たちよりも、特に経営者・管理職の人たちに読んでもらいたいと思う。
ソフトウェア開発の現場ではどんなに苦労しているのか、なぜこんなにもうまくいかないプロジェクトが多いのかということは、現場レベルで考え対処するのではなく、経営のレベルで対策が必要だから。


僕もソフトウェア開発に携わっている。
しかも、相当古い体質の組織だ。
だから、本書の言葉でいう"逐次型ライフサイクル"である"ウォーターフォール"が仕事のやり方だ。
アジャイルなど使ってリスクを回避・削減する努力をしなければならないのだが、恐らく管理職にとっては数字(進捗、品質など)の管理がしやすいウォーターホール以外は考えられないと思う。

管理職にとって、アジャイルを使ったプロジェクトは外からでは見えにくいと思う。
アジャイルのプロジェクトを管理するには、ちゃんとそのプロジェクトに毎日接していかなければならない。そうでなく、週一で進捗だけ見たいくらいなら、アジャイルには関わらない方がプロジェクトのためだ。1週間に1回しか状況を確認しない管理職は、面倒くさいことをたまにいう煩い蝿といったところだろうから。


でも、ウォーターホールは数ヶ月〜半年くらいのスパンで工程が少しずつ前進する(はず)。
管理職にとっては、週に1回のペースで進捗をチェックしていても、数字が少し増えていけば安心だ。
たとえ、工程の終盤になって大きな爆発が起こることが高い確率で予想される場合においても。


このような良書で残念なところは、ほとんどが海外のものであること。
これが本当に日本の現場に適しているのか、受け入れ可能なものであることは難しい。
本書で非常に勉強になったのであるが、このような状況の僕の会社でどれくらい応用していくことができるだろうかとかなり不安になる。
だって、本書を読むとますますウォーターホールは失敗して当たり前だということが理解できるのだから...。

★★★★☆

Manage It! 現場開発者のための達人式プロジェクトマネジメント

Manage It! 現場開発者のための達人式プロジェクトマネジメント