警官の血

佐々木譲氏の最新の文庫本。
上・下巻であり、ボリュームは大きい。
親子三代に渡っての警察官人生で、祖父の事件を追うというもの。


戦後の混乱期から始まり、平成の時代に流れ変わっていく。
その60年くらいの時間の中で警察官の考え方のようなものも変わっていくところが興味深かった。
駐在さんのような暖かい感じから、どんどんと組織的に冷徹な感じに移っているように思った。


ボリュームは大きいとはいえ、60年くらいの時間を表すため、ストーリーはスピーディに流れていく。
1つ1つの場面の深さでは少し物足りなさを感じた部分もあるが、全体を通して新しい試みに感じる。


★★★☆☆


警官の血 上 (新潮文庫)

警官の血 上 (新潮文庫)


警官の血 下 (新潮文庫)

警官の血 下 (新潮文庫)