"上"、"中"、"下"とボリュームもあって、重〜〜〜い感じで、読み応えがあった。
3人の中学生が主人公。
"上"では3人のそれぞれの生活があり、苦しみがあって、殺人へと至ってしまう。
中学生がちょっとした衝動によって殺人を起こしてしまうところが、逆にリアル。
実はここが僕にとって本書の中で一番盛り上がったところ。
"中"では3人が少年院で出会ってしまう。
少年院での過酷な生活が描かれるが、少々中だるみの感じがした。
だけど、ここで止まることができない。
そして"下"では、少年院の卒院後に3人が殺人者という重石を背負って生きていくが
それを振りきるために力を合わせる。そして、結末に向かっていく。
少年犯罪をテーマとして、それの加害者(中学生)の心の中の"瘴気"と、
被害者の残された家族の憎しみが、表現されていると感心した。
加害者・被害者を一人にしてしまうと、固定観念的に表現してしまいそうだが、
3人を主人公にしていることによって、三者三様の背景・気持ちが表現されているところがよいのだと思う。
この3巻には2週間くらいかかってしまったけど、なかなか面白かった。
ただ、あまりにも重くて疲れてしまった。しばらく小説はヤメておこうかなと思っている。
★★★★☆
- 作者: 貫井徳郎
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