久しぶりに超面白い小説だった。
個人的な好きなジャンルの警察小説がベースになりつつ、
東京オリンピックの時代における出稼ぎ労働者の苦労が非常にリアルに描かれている。
特に出稼ぎ労働者と東京人との格差というものは信じられない程であるが、
素直に考えてみれば、現実はこうだったのだろうと痛感させられる。
僕達は東京オリンピックというと戦後復興した華やかなイメージが強いのだが、
そのオリンピック開催するの建設現場等にはこれだけの人夫の方々が働いていたわけだ。
近代的な建造物は自動的に出来上がるわけではない。
コツコツと働く多くの人たちによって作られている。
島崎国男の怒りがオリンピックに向いてしまったこともわからなくもないと思えてしまう。
★★★★★
- 作者: 奥田英朗
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