暴雪圏

佐々木譲氏の警察小説の最新文庫ということで期待して読みました。
500ページを超えるボリュームだが、出張での電車・飛行機の移動時間中に一気に読める。


北海道での彼岸荒という暴風雪の中で様々な事件が重なって、あるペンションに関係者が集まってくるというもの。
強盗殺人事件、横領、不倫など様々な事件が起き、その関係者も多数登場する。
今回は駐在警察官が主役というよりも、こうした犯人や関係者が中心というところだろうか。


いろいろな話が同時進行するため、ストーリの展開も早く、飽きることはない。
ただ、結末はこれで良かったんだろうか。
もっとページ数を使って描いた方がよかったんではないだろうか。


あの凶悪犯がこんなに簡単に捕まるの?
あの男性、女性はどうなったの?
あのカップルはどうなったの?
あの老夫妻は何だったの?(実は何か背負っているものはあったのでは。勘ぐり過ぎか。)
など、多くの疑問を残したまま、少し消化不良の結末だった。
それが狙いと言われたら、それまでだが。


★★★★☆

暴雪圏 (新潮文庫)

暴雪圏 (新潮文庫)