これは読んでおいた方がよいと思う。
一年が経過して、テレビでも当時のことを振り返り、政府や東電がどのように対応したかが伝えられるようになった。
本書ではそれらを緻密な取材によって明らかにし、詳細にわかるようになっている。
2012年1月に出版されたものなので、その後にテレビなどで知ってしまっている情報もある。
それでも、本書の内容は衝撃があるものである。
あの日、東電や政府は何を考え、どのように行動していたのか。
特に東電の組織としてのリスク管理の脆弱性、責任感の欠如には強い怒りを感じぜずにはいられなかった。
社会インフラを背負っているという意識が足りない、上司が保身しか考えない、
など、言い出したらきりがない。
当時の管政権にしても同じ。
政権復活のキッカケとしてのパフォーマンスもあったのかもしれないが、危機管理の施策は空転していた。
もしも、もう一度やり直せるとしたら、あの事故は起きなかったのかもしれない。
読み終わった後には、そう考えずにはいられなかった。
★★★★★
- 作者: 大鹿靖明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/01/28
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 175回
- この商品を含むブログ (27件) を見る