若き数学者のアメリカ

国家の品格』の著者である藤原正彦さんの著作。約25年前に出版された本である。
この前の出張の際に飛行機や電車の中での移動時間に読もうと思って購入して暇つぶし程度に読み始めたのだが、これがなかなか面白かった。

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

約30年の前であればアメリカの中での日本人というのは珍しかったのではないだろうか。普通の人だとアメリカ人っぽく振舞ってなんとか打ち解けようとすることだろう。それは自分自身のアイデンティティを否定してしまうものだ。
アメリカという当時としては異国の中で、日本人であるという自分を否定することなく、自らのアイデンティティを主張して行動する事で周りの人々に尊敬されていく。自らの味方もいない異国の地で、このような生き方をすることは大変な勇気があったことだろうし、自分自身にもすごく自信があったことなのだろう。
僕も自分という人間を恥じることなく、自信を持って生きていけるようになりたいと勇気づけられた。感動した。
★★★★★