硫黄島―太平洋戦争死闘記

これもサンフランシスコ出張中に読んだ本。
著者はR.F.ニューカム氏というAP通信の記者である。米国の記者であるが、日本のこともしっかりと取材され、米国偏重ではなく、しっかりと平等に書かれており、非常に好感をもてた。むしろ栗林将軍の日本軍人としての生き様がよく表現されている、これが米国の人間がどのように理解しているのかはわからないが。
硫黄島での攻防戦が非常に生々しく描かれており、戦争の怖さを感じることができた。戦い方についても日米で違っている。日本は精神的に戦っているようだったが、米国はすごく合理的に戦っていたのが印象的。とくに米国は硫黄島の上陸作戦と同時に大量の十字架用の材料も搬入し墓地を建設していたということには驚き。日本人としては例え大量の犠牲者がでると自明であったとしても、そんなことはしないだろうと思う。人間的にやっちゃいけないだろう。
僕らの世代は太平洋戦争は完全に日本が悪者であり、米国は正義の味方であるかのように教育されてきたと思う。また、あまりそのことに関しては突っ込んではいけないと無意識のうちに感じていたように思う。この歳になってしまって申し訳ないが、僕たち日本人はもっとこの戦争について知らなければならないのだろうなぁ。日本人として恥ずかしい。
★★★☆☆

硫黄島―太平洋戦争死闘記 (光人社NF文庫)

硫黄島―太平洋戦争死闘記 (光人社NF文庫)