僕が横山秀夫氏を知った作品。我ながら世間には鈍感である。
本書を原作としたドラマをNHKで観てからハマったのだ。主人公の悠木を佐藤浩一氏が演じた。ドラマを観てから読んだ本だったので、佐藤浩一氏や岸部一徳氏の強烈なイメージが残ったまま読みやすかった。
日航機墜落事故という前代未聞の大事故と、それに絡めて、組織の中での仕事ということ、親子の関係が非常にリアルに描かれていると感じる。組織に反発しながらも、家族のことを案じて最終的なラインを踏み越えることができない主人公。なんかすごくよくわかる。僕も昔は会社では上司に反論することが若い人間の特権とばかりに反発してきたが、最近はどうも組織の中で流されていると感じる場面が多い。こういう言い方をすると差別になるのかもしれないけど、僕らのような子どもを持った男、お父さん世代には絶対に共感する本。必読。
★★★★★
- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/06/10
- メディア: 文庫
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