墜落の夏

僕がまだ中学生だった1985年8月12日に起きた日航ジャンボ機墜落事故。もう20年以上も前のことだ。おそらく今となっては多くの人たちの記憶の中から消えかかっているかもしれない。
自分でもどうしたのかわからないが、突然、この事故のことを思い出してこの本を読むにいたった。この事故が起きた中学生の夏には生存者の救出をテレビの前で見ていた記憶がある。強烈なインパクトがあったにも関わらず、高校生の夏には記憶のすみっこに追いやられていたし、毎年お盆の時期になるとニュースで見た御巣鷹山の慰霊祭についても恒例行事のようにしか感じていなかったと思う。
この本を読んであらためて日航ジャンボ機墜落事故の影響、この事故によって直接お亡くなりになられた520人もの犠牲者の方々だけでなく、その関係者や遺族の方々の苦労や悲しみも少しわかったような気がする。
こういった本を読むと、どうして僕はこれまで関心を抱くことができなかったのだろうかと疑問に感じ、そしてこういった悲しみを感じずにこれまで生きてきたことが少し恥ずかしいと思うようになる。もう若くはない。この年齢になってようやくいろいろと知らなければならないことがあると強く感じるし、それを自分の子供達にも伝えていかなければならない。
★★★★★

墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)

墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)