墜落現場 遺された人たち

日航ジャンボ機墜落事故に関する著書。当時、警察の身元確認班長としてこの事故に携わった飯塚氏。「墜落遺体」の著者でもある。
「墜落遺体」は警察や医者の方々、遺体の身元確認作業を通してこの事故が描かれていたが、本書では遺族の方々だけでなく、事故現場にかけつけた地元の方々、自衛隊の方、葬儀屋などいろんな方々について書かれていた。
この事故は誰にとってもこれまでの経験にあったわけでもなく、想像もはるかに超えた激しい出来事だったようだ。とかく、僕たちは事故の直接の遺族の方々にばかり気を取られてしまうが、こうして周りがわかってくると、ジャンボ機が墜落した現場である群馬県上野村の人たちにとっても大きな衝撃になったはずだし、事故現場で仕事をした消防・警察・自衛隊の人たちにもその後の人生にとって大きな影響を与えたはずである。
僕だったらとてもじゃないけど、まともな生活ができなくなるのではないかと思う。単なる仕事というだけではやっていけない壮絶な夏がそこにはあったはずだ。
★★★★☆

墜落現場 遺された人たち (講談社+α文庫)

墜落現場 遺された人たち (講談社+α文庫)