そして殺人者は野に放たれる

犯罪関連本。
冤罪とかと違って、どうして日本は精神障害者の事件が多くなっているかという逆の問題。
普通の人間、むしろ頭の切れる人間が精神障害者として振舞うことで"心神耗弱"・"心神喪失"と精神鑑定で診断されて、"責任能力なし"と判決が下される。
これは残虐・異常な事件が起こればいつも繰り返されていること。
せっかく犯人が逮捕されても、弁護士がでてきて「被告には当時は責任能力がなかった」とか訴える。
それで裁判官ももう面倒くさいから「責任能力ないってことでいいんじゃないの」って感じで判決が出ているような気がしてならない。
このような過程や日本の裁判や弁護の構図とよくわかる本だった。
裁判でおきていることに騙されないためにも読んでおいた方がよい。

★★★★☆

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)


個人的には"山口県光市母子殺人事件"の最高裁判決が気になっている。
ちょっとこれとは違うけど、異常な弁護団による異常な訴えに対して、裁判官が正常かつ客観的な判決が下せるのか心配している。


日本でももうすぐ開始される裁判員制度。これに向けて、一般人ももっと犯罪と裁判の仕組みを理解して正義を決断できる準備をしておかなければならないと思う。
弁護士だけが悪いわけではない。検察もしかり、裁判官もしかりである。
人間であるだけに、完璧に客観的な判断を下すことは不可能。
しかし、自分が裁判員として指名されたときに、誰かの利益になるように騙されたり、自分が後悔することがないようにしたい。