幻夜

白夜行』も面白かったが、これもめちゃくちゃ面白い。


文庫本でも780ページ程もある長編であるが、一気に最後まで読めてしまった。
白夜行』もそうだったが、途中からは読まずにはいられなくなり、2日くらいで読んでしまった。


白夜行』と『幻夜』が並べておいてあったが、同じようなテーマの作品なんだろうと思いながら読んでいた程度だったが、これが『白夜行』の続編に相当するものであるとは考えていなかった。


でも、読み進めると主人公である"新海美冬"と『白夜行』の"唐沢雪穂"のキャラクターがかぶってくるのが読者は気になってくる。
(僕は宮部みゆき氏の『火車』ともかぶっていた...。)

東野氏はストーリの中で明示的に唐沢雪穂と新海美冬を結び付けてはいないが、性格などのキャラクター設定、"南青山のブティック"、"風と共に去りぬ"などのキーワードを織り交ぜて暗示している。
そして、最後には整形手術による若返りという飛び道具のような荒業を披露して、読者に伝えてくれる。


白夜行』のラストでは雪穂が生き延び消えていったように、今回も美冬は生き残った。
続編が楽しみとなる。しかし、この雪穂、美冬を殺すわけにはいかないだろうなぁ〜。

★★★★★

幻夜 (集英社文庫)

幻夜 (集英社文庫)