いろいろと中国に関する本は読んできましたが、この本の内容にはショックを受けました。
実話とのことですが、あまりにも衝撃的な内容です。
1900年代の中国の実状を著者の祖母・母・著者自身と親子三代に渡った経験。
国民党、共産党、毛沢東、文化大革命という政治に、中国国民はどのように振り回されてしまったのか。
特に文化大革命はすごい。今の日本で勝手気ままに生活している僕たちには全く想像できない世界だ。
普通に読んでいたらフィクションだと思ってしまうくらいに、残酷で非情な世界が赤裸々に描かれている。
ここ50年くらいの昔の実話であり、さらにそれが我々の近くでの出来事であるかと思うと、本当に恐ろしくなってきた。
中国のことを怪しく感じている私でさえこんなにショックを受けるんだから、免疫がない人がいきなり読むとどうなるんだろうか?
この本が中国の内部の著者によって書かれ、実体験にもとづいて描かれているから、すごい迫力なんだろう。
しかし、著者はいわゆる高官の娘であり、生活的には恵まれていた方なんだと思う。ただ、高官の父母を持つゆえに政治の変化に翻弄され、迫害を受けてきたという苦労も相当なもののようだった。
これが、普通の庶民だったら、どうだったんだろうか?
もっともっと悲惨で非人間的な生活だったに違いない。中国の農村部の識字率は低く、そういう人たちの実体験は今後も明らかになることは難しいと思う。
恐らくこの日本だって昔(戦国時代〜江戸時代とか戦中とか)はこんな状況だったのかもしれない。
しかし、それがわからないから、気付いていないだけなのかも。
中国だけが残酷な国とは思わない。日本や西欧だって、昔は非人道的なことを随分とやってきたから。(例えば、奴隷制度、魔女狩りなど)
こうやって記録に残して、広く知られるようになれば、よい方向に変わっていくのかもしれない。
そうなることを祈りたい。
★★★★★
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ちなみに、私は中国には行ったことはありません。
スケールの大きさには魅力を感じるし、万里の長城や桂林には行ってみたい気持ちはあるが、こういう本を読むとちょっと引いてしまう...。