少女

告白』を読み終えて、次の作品を期待してたら、ちょうど発売されたばかりの本書が書店で平積みされていた。


この本も僕の期待を裏切ってくれなかった。

由紀、敦子、紫織という少女の夏休みの出来事。
中学生という世代には当然興味を持つようなこと、"死"、"裏サイト"、"いじめ"など、現代の問題を現実的に描写されている。
ストーリーは友達の由紀と敦子が順番に自分たちの思いや出来事を語る同時進行型の展開手法。
その中で、中学生らしい言葉遣いがすごく新鮮。"おっさん"とか...。
そして、それぞれ別々に行っていたことが絡み合ってくる。
最終的には、紫織という転校生が"死"をもってまとめてしまう。結局、出だしも紫織だったということは最後にわかる...。


"死"や"いじめ"という非常に陰湿でヘビーな面をクローズアップしているのだが、実は友達というものがどんなに大切なのか、自分が思っているよりも友達は心配しているんだということが救われる面である。
しかし、それとは対照的に表面的な"友達"は大事なところで助けてはくれず、"死"を選択するということ。



『告白』と同様に読み終えた後には、後味はすっきりしたものではない。
しかし、作品としては非常に良いと思う。

★★★★☆

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)