僕も本書のターゲットである"マネージャ"と称される立場。
最近になって特にソフトウェア開発の生産性向上を強く要求されるようにもなったし、
自分のチームの技術向上も必要になっていると非常に考えるようになってきた。
これまでもRuby/Python/PHPなどのスクリプト言語を使うという話がなかったわけではないが、
「まだまだ実績ではJavaです。」、
「エンタープライズで使うためのスケーラビリティを実現するためにはJava。」
等と言って、新しい技術には消極的だった。
もちろんこれらを全く使っていないわけではなかったが、テストプログラムや利用者が限定的なものにだけ使うようにしていた。
また、そういう新しい言語に取り組むメンバーは向上心の高い一部も者に限られていた。
しかし、これは今思ってみると、自分たちがJavaに留まっていたいがための、単なる言い訳でしかなかった。
本書にたくさん示されているとおり、JavaにはWebアプリケーション開発のためのフレームワークが乱立していたり、
EJBなどJ2EE技術も非常に高度に複雑化している。
技術だけでなく、OSSがたくさんありすぎて環境も複雑化している状況だ。
Javaが世界中に普及してしまって、みんなが使うようにになったからこそ、このような複雑化した状況になったわけだが、
正直なところ、Javaで開発している限り、今後のソフトウェア開発生産性は大きくは上がることはなさそうだ。
その解決策が"Ruby"だとも僕は考えていない。
第一の候補としては、Ruby, Ruby on Railsだは思っている。
こういった技術を早く僕のチームの中に取り込んで、将来の現場に対応できるような環境を作っておくこと、
チームメンバーをその方向性に導くことが僕の仕事だと思っている。
そのヒントは本書でたくさん学ぶことができた。
久々のO'REILLY本だったけど、興味深く読むことができたと思う。
(ちなみに、本書の中にはRubyのコードはほとんど登場しない。)
★★★★☆
- 作者: Bruce A. Tate,角谷信太郎
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2007/04/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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