闘うプログラマー

MicrosoftでのWindows NT開発物語。
題名のとおり、どんなにプログラマーという人間たちが苦労して実現したかが記されている。


僕もソフトウェア開発者の立場。
本書に書かれていることにはたくさんの点で共感することができた。
本当にソフトウェアの開発は苦労するし、どこまでバグを修正すれば出荷レベルになるのかなんて判定が難しい。


本書で開発されるOSはWindows NT 3.1。
僕も入社したてのときに、使った記憶がある。
非常に重いOSだったけど、堅牢なOSだと今でも記憶している。


その後、Windows NT 3.5(デイトナ)、Windows NT 4.0(カイロ)、Windows 2000(カイロ)、Windows XPと進化していく。
現在のWindows OSのカーネルの原型となっている非常に優秀なOSだと思う。


僕にとっても、Win32 API等、Windows OS の勉強もこれをベースにしてたくさんさせてもらって、
Windowsアプリケーション開発者としての経験を積むことができた。


最後にはデスマーチになって、プログラマー達は家族や友達などの多くのプライベートを犠牲にして完成させる。
それは仕事から離れられないという非常に不幸な面もあるけれど、めちゃくちゃ苦労して完成させた後にはその経験は大きな財産になっているはずだ。
本書の登場人物(主人公であるカトラーだけでなく、プログラマー、テスター、ビルド担当者も)は、そんな仕事にかかわれたことを後から振り返ったときにはうれしく感じることになるんだと思う。


僕自身の経験からもデスマーチはそのときはすごく嫌で何としても抜け出したい気持ちだけど、それが終わって何年か経った後には非常に大きな経験をして、あの時にたくさんのことを勉強することができたと振り返ることができるようになった。


4月から課長になったら、コードをほとんど書いていなかったけど、久しぶりにコーディングしたくなってきた。
そんな熱い気持ちになる本だった。


★★★★★

闘うプログラマー[新装版]

闘うプログラマー[新装版]