あるキング

伊坂幸太郎氏自身が「これまでとはちょっと違った雰囲気」と言っていたため、ちょっと避けていた。
伊坂氏のファンとしては「そんなに違うなら楽しくないじゃん」って思ってしまうが
どこかでやっぱり期待して気になっていた部分があった。


で、やっぱり買って読んでみたのだ。


正直、悲しいストーリだし、非現実的な内容だった。
でも、いつもの伊坂ワールドのように、仙台市が舞台で、軽快な展開、洒落・気の利いた言葉ばかり。


“山田王求”というメチャクチャな野球選手が主人公。
小学生のときにプロ野球投手の全力投球をホームランしたり、両親が熱心すぎて殺人を犯してしまうとか、
ストーリ自体は賛否両論があると思うが、伊坂ワールド好きの私としてはそんなに悪くはない。
ただし、好ましくもない。
ちょっと実験的な本という感じがする。


最後のページの「弟1刷 2009年8月31日」というのを見て、そんなもんだろうと納得した。
伊坂氏の著書ということで、初版の部数も多いと思うけど、いつもとは違う評価が多いのだろう。


★★★☆☆

あるキング

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