ブラックペアン1988

海堂尊氏の作品。
単行本で読もうかと思っていた本が、昨年12月に文庫本で発売されたので、年末年始休暇を利用して読んでみた。


『「チーム・バチスタの栄光」へと続く、原点」』ということに惹かれたのだが、残念ながら期待はずれだった...。


海堂尊氏の作品の特徴でもある軽快なトーク、医療現場の表現については、最近では表現がクドイように感じるようになってきた。
それによって文章だけで誤魔化されていて、物語の深さが薄っぺらいものに感じるようになってきた。
あくまでも僕の個人的意見だが...。


特に本書の冒頭における手術室に入る前のイソジンによる手洗いのくだりについてはダラダラしていて、読み始めが億劫になった。
”食道自動吻合器”というものが何モノかがさっぱり分からないので、それを白い狙撃銃と呼んでいいものかどうか分からない。
これは医学者の方が読まれれば、理解できることなのだろう。


正直、最近の海堂氏の作品には期待を裏切られている。
ちょっと期待しすぎているのかもしれないが、今度こそは思って買ってしまうんだなぁ。
イノセント・ゲリラの祝祭』も文庫化されたので、やっぱり買ってしまうと思う。


★☆☆☆☆

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)