またまた池井戸潤氏の作品。
現実と過去の物語がパラレルに進行していく形式。
でも、面白い形で現実と過去がリンクしている。
主人公の琢磨とその父・史郎のストーリがリンクするのだが、
息子が父の過去に乗り移って父の本当の過去を知るというもの。
過去の父に乗り移るときには、BT(ボンネットトラック)が鍵となっている。
あまりにも非現実的なものだけど、そこがかえって面白かったりする。
非常にマジメだと思っていた父が、過去には大変な苦労と大恋愛をしていたと知るというのもよかった。
池井戸氏の作品は最後には悪を倒してスカッと終わるというものが多いが
本書は少しブルーで中途半端な終わり方だったと思う。(それはワザと。)
主人公の琢磨がどうして精神を病んでしまったのか、母はどこまで知っていたのか、と
もう少しはっきりして欲しかったところはあったが、いつもの期待を裏切らない作品だったと思う。
でも、この作品はあまり人気がないのかな?
2006年6月に文庫本が発行されているが、その後、増刷されていないみたいだし。
個人的にはいつもどおりに面白かったのだが。
★★★★☆
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/06/15
- メディア: 文庫
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