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待ちに待った横山秀夫氏の新作。
今回の主人公はD県警 広報官 三上。
なぜ警察小説なのに広報官なのかと思うところだが、横山秀夫氏が描く人間模様はやっぱり素晴らしい。


三上が元刑事と警務部、上司と部下、夫と父親、様々な立場で苦しんでいる。
その描写は圧倒的な迫力を持っている。
そして、人間描写だけでなく、中心となる誘拐事件もスゴイことになる。
647ページという分厚い内容だが、1ページ目から647ページ目まで全て繋がっているので、気を抜くこともできない。


横山秀夫作品らしく結末は、なんとも言いようがない感触を残すのだが、それが気持ち悪くない。


読み始めは「D県警ってどこ?」って考えながら読み進めたが、D県はやっぱり存在しないようだ。
そういえば、以前の作品もD県警だったなと思ったら、シリーズなのね。


★★★★★

64(ロクヨン)

64(ロクヨン)