リーダーシップに関するお薦めとして本書『エンデュアランス号漂流記』が挙げられていることが多い。
僕のずっと気になっていた本で、Amazon.co.jpのほしい物リストに入れていたものだった。
アムンゼン隊によって南極点到達がなされてしまった後、アーネスト・シャクルトンは次なる挑戦として南極大陸横断に挑む。
1914年、今から100年も昔の話。
たった100年前のこととはいえ、南極という世界は前人未到の過酷な世界だった。
(今では飛行機やヘリコプターでひとっ飛びだし、Google Earthで家からも眺めることができる。)
残念ながらシャクルトン隊は南極大陸到達前にエンデュランス号は氷に閉ざされ、圧壊してしまう。
船を失ったシャクルトン隊長による命を賭けた脱出が始まる。
そして、見事にシャクルトンは救援を呼びに行くことに成功し、全員が無事に救出される。
簡単に書くとこんなもんだが、衣食住が最悪の状況下で、隊員全員が諦めずに一致団結して協力できたことは、ひとえにシャクルトンのリーダーシップによるものだった。
隊員全員に対して細かな気配りをしながらも、隊の秩序を守り、隊員はシャクルトンに絶対の信頼をもって着いていく。
最も困難な旅となる、自らが助けを求めるための荒れた海に命を賭けて小舟で挑んでいくことなど、自らが行動で示している。
いわゆる啓発書ではないが、本書を読むとシャクルトン隊長、ワイルド隊員のリーダーシップに得るものが多い。
冒険記としても面白く、一石二鳥のお薦めの本。
★★★★★
- 作者: アーネストシャクルトン,木村義昌,谷口善也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 文庫
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