グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

帯にあった『これは、ビジネス本ではない。敗北の物語である。』という意味がよく分かる。


確かに読み始める前には、グーグルよりもソニーがスゴイという内容なのかと思っていた。
実際には真逆。
ソニーを代表とする日本の大企業の欠点が浮き彫りにされている。
しかも、以前のソニーは尖った技術力を持つ会社というイメージだった。
高い能力を持った技術者もたくさんいたはずだが、その実力を発揮できる組織になっていないと、
会社としては衰退してしまう。
それを先鋭的な企業でもあるグーグルと比較するのだから、余計に浮き彫りになる。


著者のいうとおり、これからの時代は品質よりも、スピードが求められる場面もある。
最初から完璧な製品を出荷するのではなく、いかにアイディアをすぐに具現化してタイムリーに出荷するか。
早すぎても製品は売れないし、遅すぎると絶対にダメ。
そんなことはわかっているけど、実行できないのが、日本の企業なんだと思う。


それにしても、ソニーの社内事情をここまで明らかにしていいものだろうか。
著者の個人的な感情もありそうだが、ここまで批判されてはこちらも悲しい思いになってしまった...。


★★★☆☆

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (新潮文庫)