スノーデン氏の告発の衝撃は凄まじいものがあった。
以前から“エシュロン”という軍事用の通信傍受システムの存在が噂されていたし、
NSAはどんな暗号アルゴリズムも解読できる能力を有しているとか言われているから、
実在するんだろうとは思っていた。
しかし、まさか一般市民の情報までも盗聴しているとは予想をはるかに超えていた。
しかも、僕達が日常的に利用するMicrosoft、Yahoo、Google、Facebookのサービスを使っているとは。
もうインターネットにはプライバシーは存在しないのかと打ちのめされる衝撃を受けた。
本書からは、スノーデン氏がいかにして告発に踏み切って記者と慎重に接触したのか、
その本心はどこにあるのか、さらにNSAの盗聴システムはどこまでできているのか、
詳細を知ることができる。
本書は現実のごく一部なんだと思うと、恐ろしい限りである。
あれから時間も経過し、今ではこの問題もすっかり目立たなくなってしまった感じもする。
もうインターネット上でのプライバシーは諦めてしまったのか。
データをクラウドに預けること自体がもう信用できないし、
データを暗号化したとしても、そのアルゴリズムがNISTのものであればバックドアがあるのかもしれないし、
そもそもそのデータを読み書きするOSがMicrosoftだったらどうなっているかわからないし....。
この問題が忘れ去られて幕引きされることなく、より詳細な情報や事実も続報に期待したい。
★★★★☆
- 作者: グレン・グリーンウォルド,田口俊樹,濱野大道,武藤陽生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/05/14
- メディア: ペーパーバック
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