ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

先に『ウェブ進化論』を読んで、Googleのすごさにあらためて感動したので本書を購入し読むにいたった。

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

個人的にはGoogleというものが登場し、はじめて利用したときにはすごいショックを受けたことを今でも記憶してる。それまでの検索エンジンの常識を覆すほどの、レスポンス性能の高さ、検索される情報量の多さにだ。
Google以前のWeb検索というと、YahooやNTT DIRECTORYのように人力で階層構造化された検索サイト、AltaVistaやInfoseekなどのロボット型検索サイトがあった。前者の方はわかりやすいのだが情報が古いという欠点があった。後者の方は検索に相当な時間がかかるという欠点があったのだ。まぁ、そのときにはその遅さも当たり前のものとして受け取っていたのだが。
そういった状況でGoogleが登場した。それまでの全文検索の常識を打ち破るほどのクイックレスポンス。これだけでも本当に驚きで、インターネットの"あちら側"に存在するはずのGoogleは本当に検索という処理をしているのかと疑うほどだった。

Googleが設立されたから8年くらいが経過するが、Googleによってすっかりと常識は変わってしまった。
今ではWebだけでなくデスクトップにしてもGoogleが存在しない世界は考えられない。
誰しもがWebブラウザを起動し、GoogleやYahooなどにアクセスし、キーワードを入力してWebサイトを検索して気になるページを探す。例えば、欲しいものがあれば、その商品を実際に使っている人のレポートを検索して確認する。そして評判が良ければ取り扱っているショップを検索して最低価格を探し出す。ごくごく一般的な使い方だろう。
また、Webブラウザ発祥時からの機能、"ブックマーク"についても考えを改める時期になってきているかもしれない。Web創成期には検索サイトが乏しかったため、Web利用者はたまたま訪れたサイトが気に入った場合には"ブックマーク"しておかなければ再び訪問することは難しかった。しかし、時間とともにブックマークされたWebサイトの情報は陳腐化し、さらにそのURL自体にアクセスできなくなっている場合も多い。今ではほとんどブックマークすることなく、その都度、検索してよりフレッシュな情報にアクセスする方が多いのではないだろうか。

と、今では生活の一部ともいえるGoogle。そのGoogleの思想や今後の方向性を想像するための本書は面白いのではないかと思う。悔やまれる点は訳があまりうまくないことだ。原文を忠実にするあまり、日本語的には読みにくいままになっている箇所が多いように感じる。
少し残念で星3つ。★★★☆☆