東野圭吾氏もよいけど、伊坂幸太郎氏はさらによい。
やっぱり同年代で、元コンピュータ会社という経歴にも親近感を覚えるのかもしれない。
"勇気はあるか?"
"検索するんだよ"
"そういうことになっている"、"そういうシステムになっている"
"細分化された仕事。仕事をしているだけ。"
主人公がシステムエンジニア(SE)という設定だけあって、考え方や行動に非常に共感を持てる。
現在のネット社会も誰かに監視されているはずだ。
米国家安全保障局(NSA)がすべてのネットを"エシュロン"というシステムで検閲しているということも、真偽は定かではないかが噂が絶えない。
本作品は、"魔王"の続きなのだが、誰が悪者なのかがわからない、社会や国家そのもの、世の中の流れにしたがっているたけで、誰も悪者なんていなんじゃないかって感じになっている。
正義感あふれる主人公だが、最後はちょっと肩透かしで、それが本当の現実なんだと。
遠い未来という時代設定なのだが、伊坂氏は2009年という現在も意外と真実はこんなもんだよと伝えたかったのかもしれない。
★★★★☆
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/15
- メディア: 単行本
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言うまでもないが、この本を読みながら携帯の着メロで『君が代』をダウンロードしてみた。
かっこいいかと思ったが、静か過ぎて携帯が鳴っていることに気づきそうになかったので、やめてみた。
こんな人、多いのでは。