オレたち花のバブル組

2011年の読書始めとなったのは、池井戸潤氏の作品「オレたち花のバブル組」。
2010年12月に文庫化されたもので、『オレたちバブル入行組』の続編にあたるもの。
池井戸潤氏の作品らしく、スピード感があって、気持ち良い良書である。


僕はちょうどバブルがはじけた1993年に会社に入社した。
本書の巻末解説にあるようにバブル入社組は1988年〜1992年に入社した方々があたる。
ただ、会社の中で置かれている状況は僕も似たようなもので、
現在は中間管理職の真っ只中で、上からの圧力と下からの突き上げがあって苦労するし、
現場でもプレイング・マネジャーとして動かなければいけない。


だから、本書の主人公である半沢・近藤の立場はすごくわかるし、共感できる。
半沢次長の「基本は性善説。しかし、やられたら倍返し。」というポリシーは超格好良い。
中間管理職でありながらも、会社の中での自分の立場というものよりも、
自分が信じる正義を貫こうとするところは見習いたいと思うところ。


新年早々、かなり勇気づけられたんじゃないかな。
ただ、半沢の人事の処遇、近藤の選択については、単なる夢だけにならずに
サラリーマンとしての結末となっているのではないかと思う。
そういう意味では会社組織の中では、あまり無茶はできないということか...。
それでも、読後感は非常に気持よくスッキリするものであった。


★★★★★

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)