悪の教典

ベストセラー本の文庫化だったこと、貴志祐介氏の『新世界より』が面白かったことがあり、当然のように期待して読み始めた。


上巻は面白い。蓮実先生の怪しさと頭脳にドンドン引きこまれていき、読み進んでしまう。
しかし、下巻を読み始めて、終盤に向かって徐々にテンションが下がっていく。
教室全滅作戦あたりからやり過ぎ感がたっぷりで惰性で読み進めた。
そして、最後の駄洒落で一気に冷めてしまった。あの一言は全く余計だろう。


上巻で面白さがMAXに達して、そこから底辺に落ち込んでいくという辛い流れだった。
(普通は逆なんだけどなぁ〜)


最後の「秘密」、「アクノキョウテン」という最後のオマケはいらない。
これが11月に映画化されるらしいが、その映画監督による後書きもいらない。
映画監督の後書きで宣伝しているなんて、なんて安っぽいんだ。

★★☆☆☆


悪の教典〈上〉 (文春文庫)

悪の教典〈上〉 (文春文庫)

悪の教典〈下〉 (文春文庫)

悪の教典〈下〉 (文春文庫)


これは映画で見るものではないと思う。中高校生には本当に見て欲しくないと心底思う。