クジラアタマの王様

あとがきを読んで、ようやく『クジラアタマの王様』の意味を理解できた。

この本が単行本で発売された際には、このタイトルが理解不能だったため、ちょっと躊躇してしまった。
さらに、書店でパラパラを見てみると、漫画が挿入されていたりするし。
そのスタイルやタイトルから、何やら実験的なストーリーなのかと思いこんでしまって、オーソドックスな伊坂ワールドが好きな自分は敬遠してしまった。

文庫化されたので、購入して読んでみたら、…

中身はいつもの伊坂ワールド満載だったわけで、
さらに、たまに挿入された漫画によって、難しい場面も視覚的に理解しやすくなり、より楽しめるようになっている。

さらに、今回のキーとなる舞台として我々の地元である金沢が登場する。
そして、地元民ですら知らなかった法船寺の言い伝えがベースになっていそうとは。

と、いろんな意味で非常に楽しめた作品だった。

これからは、タイトルに左右されることなく、ブレずに伊坂幸太郎氏の新作は購入したい。

★★★★★