ウィルス対策ソフトの最大手ベンダーの1つであるトレンドマイクロがこの週末に大失態をやらかしてしまいましたね。ネットでのニュースだけでなく、普通の新聞にもこのトラブルが記事として掲載されていましたからね。
- [Trend Micro サポート情報] ウイルスパターンファイル2.594.00(日本時間:午前7:33頃公開)へのアップデートにおける、コンピュータのCPUが100%になる現象に関して
- [INTETNET Watch] ウイルスバスター、パターンファイル更新でCPU使用率100%になるトラブル
- @IT:【技術解説】トレンドマイクロは何を誤ったのか
- @IT:ウイルスバスター原因でシステムダウン、月曜朝は注意を
- [CNET Japan] トレンドマイクロのパターンファイル問題、ダブルチェックの不備が最大の原因
- [CNET Japan] トレンドマイクロ、パターンファイルの問題修復ツールを公開
- [CNET Japan] トレンドマイクロ、ウイルス対策ソフトの更新ファイルに不具合
トレンドマイクロはシマンテックやマカフィーと並んで、ウィルス対策ソフトの大手ベンダーなので、今回のトラブルによる失態はビジネス上も大きな痛手になるのではないでしょうか。
これらの3製品が有名ですが、どれがどのように良い・悪いという点は、一般のユーザにはわからないのではないでしょうか。価格も同じくらいなので、イメージで購入する方が多いのではと思います。そういった面では、トレンドマイクロ痛い。
それにしても、「Windows XP SP2でのテスト漏れ」、「Ultra Protectのテスト未実施」という状態のまま配布されてしまったというのは全く信じられないことですね。どのようなテスト・チェック体制だったんでしょうか。プロセスについて非常に気になります。トレンドマイクロは最近、ウィルス定義ファイルの更新頻度をほぼ毎日行うようにしたと聞いています。これはユーザからの要望もあったのでしょうし、日々、新しいウィルスやその亜種が発見される業界で常に最新の定義ファイルを提供するというマーケティング上の戦略もあったのだと想像します。しかし、毎日配布するということはその動作確認テストに1日(24時間)以上要すことはできないということになります。全てのテストが自動的にテストが実施され、かつ機械的に評価されるようになっているのであれば、今回のような「テスト漏れ」という初歩的ミスは発生しなかったものと思われますので、そうはなっていなかったんでしょう。
トレンドマイクロだけでなく、ソフトウェア業界全体にとって、「高い品質を維持するのは当然として、スピーディ&タイムリーに製品やサービスを提供する」というのは現在の命題となっています。そのための開発プロセスをいろいろと模索していかなければいけませんね。
それにしても、マカフィーはここを商機とばかりに自社のチェック体制についてアピールしてきましたね。ソフトウェア開発としては当たり前のことかもしれませんが、こういうことも宣伝材料になってくるんでしょうか。