人間。

ジャイアンツが気持ちの良いサヨナラ勝ちをしたのをG+で観て歓喜した後に、難しいことを考えてみたりもする。

僕のいるソフトウェア業界では、コストはほとんどが人件費になっている。細かい事をいうと開発に利用するコンピュータの原価償却費とか電気代とかもいるんだけど、そんな経費よりも人件費が大幅に上回っている。
ソフトウェア開発とは、人間がソフトウェアを設計して開発(製造)してテストしてお客様に購入してもらう。普通の工業製品だったら開発(設計)は人間が頭を使うのだろう。次の製造工程では人間は手を使って機械を動かし、機械が原材料を製品へと仕立てるのだろう。もちろん製造工程の人たちも頭は使っているんだろうけど、悪い言い方かもしれないけど、創造的な思考能力はあまり求められていないのではないだろうか。

僕は長い間、勘違いしていたのかもしれない。ソフトウェア開発の世界はみんなが頭を使って創造的・生産的な仕事をしなければいけないんだと。でも、最近はちょっと違うような気がしてきている。やっぱり普通の製品と同じように頭を使う人、手を使う人に分かれてしまう。製品を企画・設計する人(アーキテクト)は頭をフル回転させて創造的な仕事をする。ソフトウェアを作成する人(プログラマ)は頭と手を使って、アーキテクトの設計にしたがって生産的な仕事をする。最後にソフトウェアを検査する人(テスター)はどちらかというと手を使ってテストを実施する。
もちろん全員が頭を使うことが望ましい。テスターだって頭の良い人間ではないと多角的に捉えて的確な観点でチェックすることもできない。やっぱり頭が良い人はどこでも適している。でも、そういった人は少ないからテスターよりもアーキテクトを任されるようになるだろう。
どうしてこんなことを考えているのか。どうしてこんな都合の良いことを考えているのか。
僕は自分が納得のできない仕事はしない人間だ。だから頭を使っていろんなことを考える仕事が好きだ。他人から言われたことをたんたんとするというのは耐えられないだろう。その成果の中には僕の考えが一切含まれないことになるのだから。
でも、どうもそういうことの方を好む人もいるようなのだ。
初めは信じられなかったのだけれども、頭を使って創造することが苦手な人で、他人からの指示を受けて単純な作業を実施し、ただただ結果を報告する。その結果は事実だけであって、その人の考察(考え)は含まれることはない。考察を求めたり、次にどうするか、作業の優先順位なんかを考えてもらうと長いSleepに入ってしまう。たぶん思考を停止するのだろう。
そういった人に仕事をしてもらうためには、1〜10までを教えてあげて、10の成果を出してもらう必要がある。時には1〜20まで教えてあげて10の成果しか出てこないこともある。
そういう人たちにどうやって幸せに仕事をしてもらえるのか。また、僕自身もどうやったら幸せになれるのか。本当にそんな人がいて会社には何かプラスがあるのか。
本当に考えなければいけないことがたくさんあるということはわかっているが、あまり触れたらいけないデリケートなゾーンの話で、そういう人たちによるコスト、周りが受けるコストということは見てみぬフリをすることになっているんだろうか、立派な大人たちは。
ついつい怒ってしまったりする僕はまだまだ大人の世界の暗黙のルールとやらがわかっていないらしい。