プログラマーのジレンマ 夢と現実の狭間

OSSであるChandlerの開発顛末記。
普通のソフトウェアの開発では、当初予定していたものがスケジュールどおりに完成され出荷されることは珍しい。
予定していた機能がいくつか落ちてしまっていたり、スケジュールが大きく遅れてしまうことが頻繁にある。

スケジュールどおりに完成するものは、超重要なカットオーバーが先に決まってしまっていて、
プログラマやSEたちがそれに向けて馬車馬のように働いているものばかり。
まさにデスマーチがおきているのだ。


本書が扱う、ChandlerはOSSオープンソースソフトウェア)プロジェクトであるため、
利害関係がないので、無理をしてでも出荷するということは決まっていない。
逆に、そういう自由度によって、目的が明確に定まらないために、世の中に公開できるまでに
ずるずると長引いてしまったのだろう。


僕たちのようなビジネスとしてのソフトウェア開発屋さんから見たら、
自分たちの好きなことを好きなスケジュールでやっているようで、
ちょっとはうらやましく感じるけど、遅々として進まないプロジェクトを
引っ張ろうとしている人は疲れるだろうなぁ。


開発者のモチベーションを高めることが大事なところはOSSでもビジネスでも同じなんだと思う。

★★★☆☆

プログラマーのジレンマ 夢と現実の狭間

プログラマーのジレンマ 夢と現実の狭間