ピープルウエア - ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

何度か読み返しているソフトウェア開発のプロジェクトマネジメントの名作。


ソフトウェアは機械が作り出すのではなく、人間が頭と手を使ってしか作れない創造的なものであるはずであるが、
この業界では開発者一人ひとりを“人月“という単位で扱って、能力の差を考慮することがほとんどなく、
人間を機械のように扱っている。


開発者がヤル気を出して、集中して仕事ができる環境を準備することが本来のマネージャの役割だということを改めて思い知るのだが、本書が刊行されて10年以上が経過した今でもソフトウェア開発の現場はそうはなっていない。
せっかくの名作も現場を変えることができていないのは、残念で仕方ない。
そして、この10年の間に中間管理職となった僕自身も、そういう現場に改善できていないことは恥ずかしく思う。


昔は、鳴ったらすぐに出なければならない電話よりも、いつでも自分のタイミングで読んで返事できるメールは、仕事に集中するための良いツールとなるはずだった。
(昔はPOPのメール受信間隔が30分というのは、そんなにおかしくない設定だった。)

しかし、今ではメールもすぐに返事をしないといけないものとなりつつある。
しまいには、リアルタイムのコミュニケーションツールも多く登場し、ソフトウェア開発者はコーディングに1時間と集中することもできない。


この世の中でトム・デマルコが提唱する仕事場を準備することは不可能なのだろうか?
少なくとも僕の回りではできそうにもないのだが...。


★★★★★

ピープルウエア 第2版 ? ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

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