セキュリティを仕事としているものにとっては非常に面白い本だった。★★★★☆。
本書が出版されてから2年以上経過しているので、技術的にはもう古いのだろうけど、クラッカー達の攻撃法法としてはそんなに変わっていないのではないかと思う。この本の内容もコンピュータのクラック方法指南になっているが、コンピュータ/ネットワークを守る側の人間にとってもどうやって攻撃されるかは大事なこと。攻撃される方法を数多く理解していれば、守りやすくもなるというものだ。
スティーリング・ザ・ネットワーク―いかにしてネットワークは侵入されるか
- 作者: 増田智一,Ryan Russell,Dan "Effugas" Kaminsky,Joe Grand,Mark Burnett,Paul Craig
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 単行本
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それにしても本書の中ではたくさんのツールが紹介されている。いくつかのツールはネットワークのメンテナンスやトラブル調査、セキュリティ確認のためにこれまでも使っていたものがあったけども、『試しにちょっと使ってみたい』という欲求に駆られてしまうもののあった。(理性を抑えることが難しいかもしれない。)クラック用ツールは逆に使えば、自分のネットワークの脆弱性をチェックすることにも使える。誰がどんな目的で利用するかによって、そのツールの性格は180度違うものとなる。ちょうど子供をしかって教育と受け取られるか、虐待と受け取られるかに似ているかもしれない。(女性がセクハラと受け取るか、スキンシップと受け取るかとか。ようは気持ちの問題かも。)
こういった本を他にも探して読んでみようかと思う。