銃器、戦闘機、爆撃機、戦車、艦隊、潜水艦、核ミサイルなど超大国による物量を投入して行われる戦争。
リアルな世界で起きている戦争。
本書は『サイバー戦争』の現実をリポートしている。
コンピュータ・ネットワークだけでなく、プリンタなどの事務機器も今やワイヤレスLANに接続されている。
そういった思いもしないところから、敵国の中枢部のネットワークに入り込み、情報を入手し、コンピュータシステムを破壊する。
- 作者: リチャード・クラーク,ロバート・ネイク,北川知子,峯村利哉
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/03/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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たいしたお金は必要ない。
インターネットにつながったノートPCが最低限あれば、どこからでも攻撃可能なのだ。
こんなことが既に現実として起きている。
しかも、軍事大国がサイバー世界においても列強とは限らない。
逆に多くの軍事大国は軍のシステムのほとんどをコンピュータに依存しているため大きな被害が発生する可能性がある。
さらに、民主主義・自由経済の世界ではインターネットへの接続も開かれている。
しかし、社会主義・共産主義の国ではインターネットは国家によって管理されている。
もしも攻撃の前兆を感知した場合には、すぐにでもその国のネットを隔離できるという防衛力がある。
リアルな世界の軍備が、サイバー世界では全く通用しない。
これまで巨額の費用を軍備拡張に投入してきた大国が、サイバー世界ではもっとも防御力の低い国になりさがっている。
すでに初めっている新しい時代の戦争の姿を理解することができる。
ただ、残念だったのは日本語訳について。
訳された本だから仕方ないが、本書に書かれている”我々”とは”米国”のことを指している。
ちょっと修正しておいてくれた方が読みやすかったのになぁ〜。
★★★★☆