決断のとき

アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュの自叙伝。原題は"Decision Points"。
大統領になる前、大統領時代に実施した重要な決断についてテーマ毎に語られている。


ブッシュ大統領の時代には様々な困難が発生したと思う。
9.11、金融危機リーマンショック)、カトリーナ、アフガン戦争、...。
その時に、ホワイトハウスでは何が起きていたのか、どうやって大統領は決断していったのかと
これまで語られなかった裏側を堪能できる非常に良い書だと思った。


本書を読んで感じたことは、やっぱりアメリカは自分たちが世界の中心、世界の警察と考えて行動しているということ。
他国の主権を侵害しているような行動は、結局は自分たちの国に悪影響がないようにするために予防線を張っている。
そういうことが、十分に思い知らされる内容だった。


また、ブッシュ大統領と小泉取相は盟友関係と言われていたが、本書では残念ながら日本はほとんど登場しない。
アメリカにとっての一番の盟友はイギリスのトニー・ブレア首相だということが強く描かれている。
他には、ロシア、カナダ、中国といった大国がやはり重要なパートナー。
日本(韓国、ドイツも)は、アメリカが民主主義の国として復興させてあげたという子供みたいな国。
アメリカの言いなりになっている国であり、盟友関係と思われていないのだろう。


量・質ともに非常に興味深い良書であることは間違いない。


★★★★☆

決断のとき(上)

決断のとき(上)

決断のとき(下)

決断のとき(下)